「公園」と「情報通信(IoT)」は関係が薄いように思われます。しかし、情報通信の整備は新しい価値をもつ取り組みを可能にします。
例えば、センサーを公園内に配置して効率的なパークマネジメントを行ったり、IT化の導入で利用者に対してより便利なサービスを提供するといった施策が挙げられます。
このページでは、公園とIoTの関係について詳しくご紹介しています。
公園におけるIoTの利用
公園内のモノ
公園内には「遊具」「ベンチ」「看板」「照明器具」「植物」「ゴミ箱」などがあります。言い換えると、数多くの”モノ”が存在します。
そうしたモノにセンサーやIoTデバイスといった情報収集ツールを備え付けることで各種データの入手が可能となります。
公園における遊具や植物の管理
公園内の遊具や植物は、安全面および景観への配慮から定期的なメンテナンスが必要です。
しかし、公園の規模や機能が拡大するほどメンテナンスの幅も広がります。1つの業種では対応が困難となり、コスト増の原因にもなります。こうした問題点において「センシング技術」が役立ちます。
センシングを上手く活用すると、遊具の老朽状態や植物の育成などを自動的に測定できるようになります。これにより、管理の一元化に繋がります。適切なタイミングでの効率的なメンテナンスが実現します。
公園の価値を向上
地方における自治体の予算は減少傾向にあります。その中で、公園の整備等が難しくなっているケースは少なくありません。地域の活性化を図る意味でも、この問題の解決が急がれています。
公園においてIoTを積極的に活用していくことで、運用の効率化を高められます。コストを抑えつつ安全で快適な公園を維持していく。こうした目標を達成できれば、地域社会に欠かせない場所として公共的な価値の発揮に繋げられます。
地域共同体が希薄になりつつある中で、住民が集まる場所や機会の提供は強く求められるサービスのひとつです。
防災公園としての利用
都市の防災構造を強化するために整備される「防災拠点・避難地・避難路」としての役割をもつ都市公園のことをいいます。
情報収集の場所
防災公園におけるIoTの活用について考えてみたいと思います。
災害発生時、身の安全が確保できると次に気掛かりなのが「家族・親類の安否」や「被災状況」といった情報です。一般的に、スマートフォンなどを使用して連絡を取ることが多くなるでしょう。
一方、大規模な災害が起こると停電が発生する可能性が高まります。通信や電話が不通になったり回線が大変込み合うなど、スムーズな情報収集が困難となります。そうした際、情報収集の環境を提供する場所として「防災公園」があります。
必要な設備と機能
防災公園は被災者が集まる避難場所となるため、停電時でも電力使用を可能とする予備電源や公共通信システムの機器が備えられています。
しかし、災害の規模が大きいと大多数のアクセスが予測されます。大きな負荷が掛かる場合、通信設備の利用には制限があります。また、電力を十分に確保することも困難です。
そうした点において、今後IoTの普及が進むことによる「防災公園を活用した地域コミュニティの形成」や「新たな情報システムの構築」といったソリューションが期待されています。
運動公園としての利用
得られる効力も大きく、IoTのサービスとも深く関連付けられます。
運動公園に必要な設備・機能
「運動公園」と名前が付いている通り、スポーツを行うことができる広い敷地や各種機材が備えられていなければなりません。高齢化の問題もあり、健康管理のための施設としても利用されています。健康管理はIoTの中でも発展が進められている分野のひとつです。
専用の端末を身に付けて人体の状態を測定しながら各個人に必要な運動量やメニューを提示してくれるなどのサービスが展開されています。PCやスマートフォンの操作が苦手な方でも、公園でのサポートや設備があればサービスをより簡単に利用できます。
公園とIoT まとめ
今後の公園運営においてIoTの利用や普及はより進んでいくと考えられます。電力確保や導入コストといった面で課題はあります。しかし、サービスの多様化が図れる点でメリットは非常に大きいと言えます。公園は地域コミュニティの起点であり、データの宝庫でもあります。IoTの発展が進むことで新しいサービスが誕生し、地域社会の在り方がより良いものに変化すると期待されています。