太陽光発電とコンセントを組み合わせた電源

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ハイブリッド電源

ソーラーパネルとコンセント(AC給電)を組み合わせた電源システムです。

  1. 通常は太陽光発電により得たエネルギーで消費電力を賄います
  2. 雨天などの悪天候が続くと、バッテリー残量が少なくなります
  3. 一定量以下の残量になるとコンセントからの給電に切り替わります

「電気代を抑えたいけれど、悪天候などにより電力の供給がストップするのは困る」といったニーズに適しています。

太陽光発電

ソーラー街灯

太陽光発電は「ソーラーパネルを用いた発電方法」です。

シンプルに、日光を受けるだけでエネルギーが生成されます。

配線を介さず独立して発電ができる点が特徴のひとつです。また、再生可能エネルギーによる発電方法なので地球環境にも配慮することができます。

しかし、逆に言えば日光がなければ電力を生み出すことはできません。雨天など悪天候の場合はエネルギー生成量が大きく落ち込んでしまいます。

悪天候になると即使用不可となるのでは、製品の効果が半減してしまいます。そのため、雨天をあらかじめ考慮した「発電システムの全体設計」が必要となります。

バッテリーの接続

ソーラーパネルは電力を生成できますが、その場に蓄えておくことはできません。そのため、蓄電にあたっては「二次電池」を接続して備えておく必要があります。

二次電池とは、一般的に蓄電池や充電池と呼ばれる「充放電の機能をもつバッテリー」です。

ソーラーパネル、蓄電池、制御装置といった部材をセットにすることでひとつの電源システムを構築できます。

コンセント(AC給電)

コンセント

コンセントは、電気機器を使用する際に一般的に用いられる電源です。

使用方法は簡単で、コンセントにプラグを差し込むだけです。

通常、家庭用のコンセントは「AC100V」の給電を行う仕様となっています。そのため、直流用の機器を使用する場合、AC/DCコンバータなどを用いて電圧を変換する必要があります。

コンセント電源のメリットとしては、「最も簡易で安定した電力を使用できる」点が挙げられます。プラグを差し込むだけなので、バッテリーなどの設備を備えておく必要もありません。

一方、デメリットとしては、機器の設置場所付近にコンセントが存在している必要があり「導入環境に左右される」という面があります。また、配線を這わすことになるため、場合によってはケーブルが剥き出しの状態となり、美観を損ねる原因になってしまいます。

屋外環境においてはコンセントが使用できないケースも頻繁にみられますが、整備されていればファーストチョイスとなります。

屋外電源の長所と問題点

問題点

上述した「太陽光発電」と「コンセント」には、互いにはっきりとしたメリット/デメリットがあります。これをまとめると、以下のようになります。

メリット

太陽光発電
  • 電源から独立した発電で日々の電気代が掛からない
  • 再生可能エネルギーを用いた発電で脱炭素化に役立つ
  • 電気工事などが不要でありコードレスで使用可能
コンセント
  • プラグを差し込むだけで簡単に使用できる
  • バッテリーなどの外部機器を揃える必要がなく安価
  • 安定して電力を得ることが可能

デメリット

太陽光発電
  • 発電量が天候によって左右される
  • バッテリーの準備が必要であり、残量が無くなると電力供給が停止する
  • 電源として複雑な設計やコストが必要となる
コンセント
  • 電源設備が備わっていなければ使用できない
  • 新設する場合は工事コストが大きくなる
  • 配線を這わす必要がある

太陽光発電とコンセントの組み合わせ

太陽光発電とコンセントの組み合わせ

互いのメリットは享受しつつ、デメリットを無くしたい…。こうした思いから、当社では2つの電源を組み合わせることで、ソリューションとなる「ハイブリッド電源」を開発しました。

「組み合わせ」という通り、2つの電源を併せもつ構造となっています。

しかし、同時に発電したり放電したりすると制御が複雑となり効率が悪化してしまいます。そこで、メイン電源とサブ電源に役割を分け、分担した組み合わせを構築しています。

それぞれの機能を明確にすることで補完し合う関係性を創り出しています。

メイン電源

主電源には、「太陽光発電」を用います。

太陽光発電の特徴は、独自に電力を生み出すことができる点にあります。そのため、日々の運用に電気代をかけることがありません。維持費の削減となり、全体のコストを圧縮します。

また、二酸化炭素の排出量を削減できるため、脱炭素化の取り組みにも貢献できます。再生可能エネルギーを積極活用し、環境に配慮した電気機器の動作を実現します。

こうした運用上のメリットを生かすため、メインの電源には太陽光発電を利用しています。

サブ電源

次に、メイン電源を補完する役割として「コンセント給電」を充てます。

太陽光発電の主な弱点は、天候により発電量が変化してしまうことです。常に安定した電力供給とならないため、電気機器の動作がストップしてしまうリスクがあります。

そうした事態に備え、バッテリーの残量が一定量以下となった場合にサブ電源に切り替える機能を追加しました。蓄電量が一定量以上に回復するまで、安定したコンセント電源から電力供給を行います。これにより、機器の動作が停止してしまうリスクを回避しています。

このように、サブ電源によりメイン電源の機能を補完しています。

電源の用途例

ハイブリッド電源は、屋外において機能の停止を避けたい場面で用いられます。

具体的に、以下のような用途があります。

看板/標識
ハイブリッド電源_看板

電飾機能を備えた看板や標識などの表示板です。消費電量が比較的大きい電子看板(デジタルサイネージ)でもご利用いただけます。

照明
ハイブリッド電源_照明

街灯や門灯といった照明器具です。イルミネーションなどの電飾にも使用することができます。

カメラ
ハイブリッド電源_カメラ

防犯やセキュリティを目的としたカメラに電力を供給できます。通信機器と組み合わせることでネットワーク上からの操作が可能となります。

通信機器
ハイブリッド電源_通信機器

ゲートウェイやルータなどの通信機器に電力を供給できます。屋外における無線通信設備を整えるのに役立ちます。

お問い合わせ

ハイブリッド電源に関するお見積りのご依頼や質問事項、ご要望などにつきましては、以下のページよりご相談ください。

太陽光発電とコンセントを組み合わせた電源 まとめ

お読みいただきありがとうございました。このページでは、太陽光発電とコンセントを組み合わせたハイブリッドな電源についてご紹介しました。それぞれメリットがあり、システムとして重ねることで互いの短所を補うことができます。システムの設計については当社でも承っていますので、ご希望などがありましたらお気軽にご相談ください。