電飾看板の電源種類

ソーラー内照式看板

電飾看板の電源にはいくつかの種類があります。その主な種類は以下の通りです。

  1. 直流電源(DC電源):一般的にLEDなどの電飾看板に使用されることが多く、低電圧で安全です。一般的な電圧には12Vや24Vが用いられます。
  2. 交流電源(AC電源):大きな電力を必要とする場合や、特定の照明器具に使用されることがあります。家庭用電源(100V)が一般的な交流電源です。
  3. 太陽光発電:屋外や遠隔地(非常用など)に設置される場合に用いられることがあります。ソーラーパネルからの電力供給を蓄電池に接続したシステムとなります。
  4. バッテリー駆動:移動式や非常用として、バッテリーを使用した電源が利用されることがあります。バッテリーの規格がそのまま電源となります。

これらの電源タイプは、設置場所や環境条件、電飾看板のサイズや機能に応じて選択されます。以下では、その詳細についてご紹介しています。

直流電源(DC電源)

直流電源

直流電源(DC電源)とは、電流が一定の方向に流れる電源のことを指します。電力値が大きくない電飾看板やLED照明においてよく使用されています。安全で効率的な電力供給を実現し、コストも抑えられます。

直流電源の特徴

低電圧で安全

一般的な直流電源の電圧は12Vや24Vです。交流電源(100Vや200V)に比べて低電圧のため、安全性が高くなります。電飾看板やLEDモジュールなどは低電圧で動作することが多いため、直流電源が適しています。

エネルギー効率が高い

直流電源は、特にLEDのような低電力デバイスにおいて非常に効率的です。無駄な熱やエネルギーの損失が少なく、長時間の使用が可能となります。

安定性が高い

直流電源は一定の方向に電流が流れます。電圧や電流の変動が少なく、機器が安定して動作することができます。特に、LEDなどの精密な電子機器では安定した電源が重要となります。

主な使用例

上記の特徴から、やや小型の電力機器における使用が適しているということができます。例えば、LED電飾看板、バッテリーの移動式看板、小型サインなどが挙げられます。効率や安定性を高めて無駄を省いた電力消費が可能となります。

デメリット

直流電源のデメリットとしては、コンセント接続の場合に変換装置が必要となることがあります。通常、直流電源を供給するためには、家庭用の交流電源(AC100Vなど)を直流に変換するAC-DCアダプターやスイッチング電源が必要です。

こうした変換装置は一定のサイズがあるため、収納場所や必要となったり、レイアウトや複数台設置の際に邪魔になりがちです。また、費用面からも追加コストが発生する原因となります。

交流電源(AC電源)

交流電源

交流電源(AC電源)は、電流の向きが周期的に変わる電源のことをいいます。家庭用電力や産業用電力として世界中で広く使用されています。以下のような特徴があり、電飾看板の一部でも利用されます。

交流電源の特徴

電流の向きが周期的に変わる

交流電源では、電流が一定の周期で正負を反転します。この反転の周期は周波数と呼ばれます。周波数は国や地域によって異なります。例えば、日本では50Hz(東日本)と60Hz(西日本)があります。

高電圧での供給が可能

交流電源は、長距離にわたって効率よく送電するために高電圧を使用できます。家庭用の交流電源は100V(日本の場合)や200Vが一般的です。一方、送電線ではもっと高い電圧(数千〜数万ボルト)が使用されています。

広範な用途に対応

交流電源は非常に汎用性が高く、電動機器や家電製品、工場設備、照明など多くの分野で使用されます。電飾看板においても、特に大規模なものや高出力の照明を使用する場合には交流電源が用いられます。

主な使用例

大型の屋外電飾看板や、強力な照明が必要な看板には交流電源が使用されます。特に蛍光灯やメタルハライドランプ、ネオン管などの照明機器には交流が適しています。また、大型の電飾看板には、回転するディスプレイなどの可動部が備わっている場合もあります。それらを動かすためには、交流電源で動作するモーターが使用されます。

デメリット

高電圧であるため、触れると感電の危険性が高くなります。低電圧の直流電源に比べると取り扱いに注意が必要です。また、直流電源とは逆で、LEDや一部の電子機器は直流電源で動作するため、交流電源を使用する際にはAC-DC変換器が必要です。この変換過程でエネルギーの損失が生じることがあります。

そのほか、小型でエネルギー効率の高い電子機器やデバイスには不向きです。これらに対しては電力ロスが多く発生してしまい、効率が悪化してしまいます。そのため、看板や照明機器の種類によっては直流の方が効果的です。

太陽光発電

ソーラーパネル(モジュール)

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電力に変換する技術です。クリーンな電力生成であり、再生可能なエネルギー源として注目されています。特に、屋外電飾看板や電源が取りにくい場所での電力源として使用されることがあります。

太陽光発電の仕組み

ソーラーパネル_太陽光発電機能

ソーラーパネルを使って太陽光を直接電力に変換します。この技術の中心となるのが「セル」とよばれる半導体です。太陽光がセルに当たると太陽光に含まれる光子がエネルギーを発し、セル内の電子がエネルギーを受け取ります。

光子のエネルギーによって、電子がセル内で自由に動ける状態になり、電流が発生します。この電流は直流電流(DC)であり、電池や他の電装品に電力を供給することができます。発生した電力は直接使用することもできますが、多くの場合、蓄電池に蓄えて必要な時に使用されます。

太陽光発電のシステム構成

太陽光発電システムは、以下の主要なコンポーネントから構成されています。

ソーラーパネル:太陽光を電気に変換する装置です。シリコンをベースとした単結晶、または多結晶のセルが多く使われます。電飾看板用のシステムでは、看板のサイズや電力消費量に応じて必要なパネル数が決まります。

コントローラー:ソーラーパネルから得た電力を効率よくバッテリーに充電するための装置です。過充電や過放電を防ぎ、システム安定した動作を指示します。

蓄電池:昼間に発電した電力を蓄え、夜間や曇りの日に使用します。鉛蓄電池やリチウムイオン電池といった蓄電のできる二次電池が使われます。

インバーター:ソーラーパネルから得られる直流電力(DC)を家庭や商業施設で使える交流電力(AC)に変換する装置です。看板が直流で動作する場合は不要となります。交流電力が必要な場合にはインバーターが使われます。

太陽光発電の特徴

再生可能エネルギーの使用

太陽光は無限に供給される「再生可能エネルギー」です。燃料を必要とせず、二酸化炭素やその他の温室効果ガスを排出しません。環境にやさしいクリーンな電力源だとされています。

ランニングコストが低い

また、設置後は太陽光さえあれば発電できるため、運転コストがほとんどかかりません。バッテリーやインバーターなどのメンテナンスは必要ですが、燃料コストや電気代を大幅に削減できます。

独立電源として活用可能

電源が取れない場所でも、太陽光発電システムを設置すれば電力を得られます。山間部、無人の場所、災害時の非常用電源としても役立ちます。例えば、電源が取れない屋外や道路脇の電飾看板に適しています。

エネルギーの自給自足

太陽光発電システムを導入することで、エネルギーの自給自足が可能になります。電力会社に依存せず、自然エネルギーで生活や運営ができます。停電時にも独立した電力供給が可能となるため、防災システムなどのインフラにも推奨されます。

デメリット

ソーラーパネル、バッテリー、インバーターなど、多くの機器を用いるため設備の初期費用が高くなりがちです。また、太陽光発電は、天候や昼夜によって発電量が変わります。曇りの日や雨の日には発電量が減少し、夜間には発電できません。そのため、バッテリーで電力を蓄えるか、別の電源との併用が必要になる場合があります。

取付けに関しては、設置スペースが必要となることも挙げられます。ソーラーパネルはある程度の面積を必要とします。十分なスペースが確保できないと設置が困難になることもあります。

バッテリー駆動

充電バッテリー

バッテリー駆動は、電力をバッテリーに蓄えてから使用するシステムです。電源が確保できない場所や移動型の機器、バックアップ電源として利用されます。電飾看板などの用途でも、バッテリー駆動は効果的な電力供給方法として使用されます。

バッテリー駆動の仕組み

バッテリー駆動の基本的な原理は、電気エネルギーを化学エネルギーとして蓄えることにあります。必要に応じて、それを再び電気エネルギーとして取り出して使用します。ここには、次の2つのプロセスがあります。

充電プロセス

バッテリーに対して、充電用の電源(家庭用電源、太陽光発電など)から電気が供給されます。そして、化学反応を通じて電気エネルギーが蓄えられます。この充電過程は、電源がある場所や時間帯(昼間や使用前)に行われます。

放電プロセス

電力の使用時には、バッテリーに蓄えられたエネルギーを取り出して電力を供給します。放電時は、バッテリーの内部で逆の化学反応が起こり、蓄えられたエネルギーが電流となって流れます。

これらのプロセスを経ることで、電飾看板などではバッテリーを使って夜間や電源が取れない場所での点灯を可能にしています。

バッテリーの種類

バッテリー駆動システムに使用されるバッテリーには、いくつかのタイプがあります。それぞれのバッテリーには特徴や用途に応じた利点・欠点があります。(※更に詳しい内容は下記のURLをご参照ください)

鉛蓄電池

鉛と酸を使ったバッテリーで、長い歴史を持つ安価で信頼性の高いバッテリーです。自動車や非常用電源、太陽光発電システムのバックアップなどで広く使われています。安価、信頼性が高い、使いやすいといったメリットがあります。一方、重い、充電速度が遅い、放電サイクルの寿命が短いといった点がデメリットです。

リチウムイオン電池

スマートフォンや電気自動車などで使われている軽量でエネルギー密度の高いバッテリーです。電飾看板のバッテリー駆動にも適しており、効率的で長寿命です。長所は、上記の通り軽量、エネルギー密度が高い、充電サイクルが長寿命といった点が挙げられます。一方、高価、過充電や過放電に弱く安全対策が必須というデメリットもあります。

ニッケル水素電池

家庭用電気製品などで一般的に使用されています。鉛蓄電池より軽量で、エネルギー密度が高いですが、リチウムイオン電池に押されて使用は減少しています。比較的安価、鉛蓄電池よりも軽量というメリットがあります。メモリ効果があり、容量が減少することがある点がデメリットとして挙げられます。

バッテリー駆動の特徴

独立電源としての利便性

電源の取れない場所で電飾看板を使用する場合に便利です。また、移動が頻繁に必要な場合もバッテリーを利用することで独立動作が可能となります。例えば、移動式の店舗や屋外イベントで使用される電飾看板としては非常に利便性が高まります。

バックアップ電源として

電力供給が途切れた場合にも、バッテリーは非常用電源として機能します。停電時でも電飾看板が点灯し続けることができ、安全性や広告効果を確保できます。

静音で環境にやさしい

バッテリー駆動は静かで、電力消耗時に燃料を使わないため二酸化炭素の排出がありません。太陽光発電などと組み合わせることで、さらにエコな電力供給が可能です。

デメリット

バッテリーの容量には限りがあるため、使用できる時間が制約されます。特に、大型の電飾看板や高出力の照明には大量の電力が必要なため、バッテリーの容量を超えると早期に電力が尽きてしまう可能性があります。また、バッテリーはエネルギーを使い切ると再充電が必要です。充電には時間がかかるため、電力供給が途切れないようにするためには、予備のバッテリーや充電スケジュールの管理が重要です。

その他、メンテナンスの面でも短所があります。バッテリーは充電と放電を繰り返すことで徐々に劣化します。特に鉛蓄電池などは寿命が短く、定期的な交換が必要です。劣化によりバッテリーの容量が減少することもあります。

電飾看板の電源種類 まとめ

お読みいただきありがとうございました。ご紹介したように、電飾看板に使用される電源にはさまざまな種類があります。設置場所や用途、環境条件に応じて最適な電源を選択することが重要です。ご使用の環境に応じて、最適な電源システムを導入するのにお役立てください。