災害避難時の心得

避難時の心構え

自然災害はいつ発生するのかといった予測が非常に難しく、唐突に事態を変化させる影響力をもちます。災害に対応するためには、避難時における正しい行動や心構えを知識として身につけておくことが肝心です。

心得

緊急時はパニックを起こしやすく適切な判断を下すことが困難となるため、普段からの訓練や情報収集を怠らないように注意が必要です。このページでは、災害避難時の心得について詳しくご紹介しています。

普段から気を付けておくべき4つの心得

避難標識デザイン

日常的に気を付けておくべき項目です。これらを意識して生活しておくだけで、災害発生時のリスクを大幅に回避することができます。主に、危険から身を守る手段と被災時の生活に関する内容です。

1.天気予報や河川情報に注意する

日頃から異常気象の発生および予測がないかといった点を確認します。これは、ニュースや新聞、インターネットなどからの情報を入手することで事足ります。もし注意報や警報が出た際には安全面に配慮することが肝心です。特に、梅雨や台風の季節は水害が起こりやすいため、前もって情報を入手できるよう注意します。

2.身の回りの災害の危険性を確認する

生活圏において災害時に危険な場所は把握しておかなければなりません。これを知るには、「ハザードマップ」や「氾濫シミュレーション」などが役立ちます。通常は、お住まいの地域の自治体などから公表されています。自宅付近における被災リスクの種類や地盤の高さなどを確認し、災害が発生したときの危険性を知っておきましょう。地理的要因と災害の関連性について知識を身に付けておくことも重要です。

3.避難場所やルートを確認しておく

災害時に逃げ込む場所について、即座に回答できる人は多くありません。しかし、自治体より指定されている避難場所やそこに到達するまでの安全な道順を知っておくは、被災時において非常に役立ちます。これらはハザードマップで確認することができます。できれば実際に歩いて覚えておくと良いでしょう。慣れない土地の場合は、事前に防災案内やマップを確認しておくことが大切です。

4.非常食・持ち出し品の準備を万端に

災害時の生活に備えて、非常食・飲料水・懐中電灯・ラジオ・乾電池などの持ち出し品を準備しておきましょう。備蓄品は一定量が準備されていますが、避難所での供給にも限りはあります。特に、都市部などでは避難民が多数に上ることが考えられ、供給が追い付きません。最低3日分の水と食料は自分で用意しておくことが大切です。

避難のときの4つの注意点

ソーラー防災看板_夜間発光

実際に災害が発生した際の心構えについてです。災害時は混乱が生じやすく、またそれに伴って危険が増加します。なるべく冷静になって落ち着いた行動がとれるよう、あらかじめ知識を備えておくことが重要です。また、地域の防災訓練なども防災スキルを向上するのに役立ちます。

1.避難の前には火の元や戸締りを確認

大規模な災害の場合、家を空けて安全な場所へ避難する必要があります。避難所への移動や避難行動で家を離れる時は、二次災害および空き巣などの犯罪を予防することが大切です。ガスの元栓、電気器具の電源、戸締りをしっかりとチェックします。なお、緊急時はこの限りでなく身の安全を最優先に考えて行動してください。

2.動きやすい運動靴を選択

移動を行う際は、長靴よりもひもで締められる動きやすい運動靴を選択しましょう。動きづらい靴はかえって移動の妨げになってしまう危険があります。靴擦れを予防するため、できるだけ履き慣れたものを選択します。また、屋外の危険に備えてヘルメットか防災ずきんをかぶり、手袋を付けると安全性が高まります。

3.お年寄りや妊婦さん、子供たちの安全を第一に

大勢で避難するときは、まず、お年寄りや子ども、体の不自由な人などの安全を第一に考えて動きましょう。困ったときはお互い様という精神でご近所や地域の人々と共に助け合って行動することが大切です。但し、目前に災害が迫っている場合はこの限りではありません。緊急的な対策として自分の身を守る行動を取ってください。

4.川沿いは強風に注意し、危険の恐れのある場所は避ける

川沿いを歩いて避難するときはできるだけ川から離れた場所を歩きましょう。特に水害が予測される場合は、河川の付近には絶対に近寄らないよう心がけます。また、これと同じように塀やガケの近くは倒壊の恐れがあり危険です。避難を行うにあたり、リスクのあるポイントはできるだけ避けて通るようにしましょう。

震災発生時の心得

地震被害イメージ

地震による災害は、他の自然災害と違って前もった予測が殆ど不可能とされています。突如にして災害の危機に直面し、また生活を一変する事態となります。地震に対しては、緊急時の行動を学習し、なるべく安全な行動を心がけるようにしましょう。

身の安全を確保

地震が起きたらテーブルなどの下にもぐり、頭上から物が落ちてくる危険に備えます。まず第一に身の安全を確保し、頭を隠して揺れが収まるまで待機しましょう。完全に揺れが無くなるまで、避難などの行動は起こさないように注意します。

戸を開けて出口を確保

特にマンションなどの中高層住宅では、震災により建物自体が歪んで戸が開かなくなる恐れがあります。火災などが発生すると逃げ場がなくなってしまいます。そのため、揺れが収まったら避難のための出口を確保しましょう。

あわてて外に飛び出さない

地震のあと、あわてて外に飛び出すと落下物などにより負傷する危険があります。身支度をしっかりと整え、周囲の状況を確かめてから落ち着いて行動しましょう。

火が出たらすぐ初期消火

出火した場合は隣近所にも協力を求め、すぐに初期消火に努めます。阪神淡路大震災では、火災などの二次被害が非常に大きかったとされています。火の手が広がらないように小火の段階で落ち着いて対処するよう心掛けます。

狭い路地やブロック塀には近づかない

狭い路地や古い建物の傍は、落下物やブロック塀の倒壊といった恐れがあります。危険が予測できる建物の付近にはできるだけ近寄らないようにしましょう。

車の運転中の場合

車内で被災した場合、揺れを感じたら徐々に減速し道路の左側に寄せて止まります。急な行動は危険なので落ち着いて動きましょう。停車後もあわてて外へ飛び出さず、まずはカーラジオやインターネットで情報を入手することが大切です。車を離れる場合は、ドアをロックせずキーは付けたままにしておきましょう。

地下街・デパートなど

大勢の人がいる中での勝手な行動は集団パニックを引き起こします。必ず従業員の指示に従うことを心掛けます。地下は地上より揺れが小さいと言われています。停電しても非常灯が点くので慌てないで行動しましょう。暫く時間が経っても明かりがつかない場合は、壁伝いに歩いて外に出るようにします。

電車・バスなどの車内

車内が混雑している場合は、将棋倒しや棚からの落下物に注意します。交通が麻痺することが予測されるため、勝手に車外へ出るのは危険です。駅のホームにいる際はカバンなどで頭を保護し、柱や壁、ホーム中央に身を寄せます。

住宅街

落下物や建物の倒壊といった事故があるため、住宅街は危険です。公園などのなるべく広い場所に避難しましょう。ブロック塀、自動販売機、古い建物からはなるべく離れてください。行動する際はガラスの破片や屋根瓦などの落下物に十分に注意しましょう。

高層ビル

窓ガラスが破損する危険があるため、窓際から離れ、まずは身の安全を確保します。エレベーターに閉じ込められた際は非常ボタンを押し続け非常電話で救助を求めます。ドアをこじ開けるなどの行為は大変危険ですので最優先で救助を求めましょう。

避難先での心得

体育館

避難所では自治会や自主防災組織などの運営組織をつくります。責任者の指示に従ってお互い協力し合うことが大切です。病気やケガなど、早急に対応しなければならない人がいる場合は関係自治体に連絡し指示を受けます。

ラジオや係員からの情報を聞き、デマや誤情報をむやみに信用しないようにしましょう。避難勧告または指示が解除されるまで無理に帰宅せず避難所で待機します。

災害避難時の心得 まとめ

お読みいただきありがとうございました。このページでは、災害避難時の心得についてご紹介しました。日常、災害時、避難時、それぞれどのような心掛けをしておく必要があるのか。災害がおこると混乱が生じ、人はパニック状態に陥ります。そうした中、ひとつでも適切に行動を起こせるようになれば安全面は幾分と向上します。是非、このページで紹介した心得を実践できるよう意識してみてください。