ソーラー発電式のサインは、自ら電気を作り出す機能を備えた表示板です。
屋外において、電源が使用できない場所や配線が引けない事情があるときに役立ちます。また、省エネや脱炭素の取り組みといった面からも使い勝手に優れています。
サイン分野におけるエシカル消費財としてニーズが拡大しています。
ソーラーパネルの搭載方法
- 太陽光を受けることで自らエネルギーを生み出します
- エネルギーを電力に変換し、それをバッテリーに蓄えます
- 夜間、LED照明を点灯することでサインの表示面を明るくライトアップします
サインにソーラーパネルを搭載する方法として、当社では2種類をラインナップしています。
- 内蔵化構造
- 組み込み構造
どちらも「発電~放電の機能」は同じですが、ソーラーパネルの搭載方法に違いがあります。また、それにより外観の意匠性や特徴、仕様なども異なります。
表示面の内部にソーラーパネルを内蔵化した構造
まず、ひとつめの「表示面の内部にソーラーパネルを内蔵化した構造」についてご紹介します。
ポイントは以下の通りです。
- 発電部材であるソーラーパネルの受光面に表示面板を重ね合わせた特殊な構造です
- 全ての部材をひとつの筐体にまとめたオールインワン設計です
- 外観の意匠性を高めており、観光地や市街地などにもご導入いただけます
一見してソーラーパネルまで太陽光が届かずに発電できないように思われます。しかし、当社製品では、光を透過する表示面のパネルを採用することで発電能力を保持しています。
ソーラーパネルを内蔵した製品構造
看板の内部に太陽電池を内蔵しています。
サイン自体に発電機能を付加した多層構造です。発電と放電、それぞれの機能性をご確認いただけます。
複数の知的財産権を取得
ソーラーパネルを内蔵化する技術および構造に関して、特許・実用新案を取得しています。
オリジナル性の高い製品です。内蔵化の特性により、屋外における意匠性や電源の問題を解決するソリューションとして役立ちます。
夜間における点灯機能
日没後、LED照明を点灯することでサインの表示内容を照らし出します。
全面点灯により視認性が高く、標識などのサイン類に適しています。電力確保が難しい場所においても簡単にご導入いただけます。
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サインとソーラーパネルを同じ筐体に組み込んだ構造
次に、二つ目の「サインとソーラーパネルを同じ筐体に組み込んだ構造」についてご紹介します。
ポイントは以下の通りです。
- 表示面とソーラーパネルを同一筐体内に併設しています
- 発電量が大きく構造を単純化できる分、大幅なコストカットを実現しています
- 安価なご提供が可能であり、設置台数が多くなる際に役立ちます
発電を行うソーラーパネルを表示板と同じ筐体に組み合わせています。フラットに並べた一体的な外観性となっており、高い発電量を獲得しています。
ソーラーパネルを一体化した製品機能
【機能の詳細は動画をご覧ください】
太陽光エネルギーを用いて電力の生成を行います。生み出した電力にてLEDを点灯し、昼夜の視認性を維持します。
設置場所の自由度を向上
省スペース化を実現したコンパクトな構造です。
大掛かりな部材の装着や組み立てがなく、どこにでもすっきりとお取付けいただけます。専用の取付治具もご用意しています。
電飾看板の専用フィルムを使用
サインの表示フィルムには、電飾看板用のシートを採用しています。
日没後、全面発光のライトで照らし出します。鮮やかではっきりとした表現が可能です。
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ソーラー発電式LEDサインの比較
上述のように、「内蔵化」と「筐体組み込み」の2つの構造にはそれぞれの特徴があります。
比較対象 | 内蔵化構造 | 筐体組み込み構造 |
---|---|---|
ソーラーパネル | 非表示(隠れている) | 表示(可視できる) |
発電量 | 小さい | 大きい |
ソーラーパネル搭載枚数 | 多い | 少ない |
日中の外観性 | 〇 (ソーラーパネルを隠せる) | △ (ソーラーパネルが見える) |
夜間の外観性 | △ (透過フィルムの透け感がある) | 〇 (電飾看板と同等) |
費用 | 高価 | 安価 |
独自性 | 強い | 弱い |
上表のような比較項目に対して、対照的な特性をもっています。比較ポイントとして特に大きいのは「外観性」と「コスト」です。
外観性
最も大きな差異は、「ソーラーパネルが見えるか見えないか」の違いです。
「内蔵化構造」では、ソーラーパネルは外部に露出せず見えません。一方、「筐体組み込み構造」では、ソーラーパネルが可視状態となっています。そのため、表示面の一部がソーラーパネルの受光面により占有されることとなります。
また、夜間の見え方(発光時)にも違いがあります。「内蔵化構造」は、高透過シートの効果によりライトアップ時の透け感が出てしまうため、色飛びのような現象が発生することがあります。そのため、発光時の見え方には再現の注意が必要となります。
一方で、「筐体組み込み構造」は通常の電飾看板に用いられるバックライトフィルム、FFシートなどを表示面に採用しています。背面から光を当てた際、色鮮やかに表示面を映し出すことができます。
コスト
構築に必要となる費用面も差異のひとつです。
「内蔵化構造」は構成部材が多くなっています。特に、ソーラーパネルの枚数は顕著です。もともと直接受光する訳ではないため、当然のことながら発電効率は本来よりも低下してしまいます。
しかし、構造上、表示面内にパネルを敷き詰められるので、サイズ面積分の枚数を搭載することができます。これにより発電量をカバーし、LEDの照明点灯に必要な電力を確保しています。
「筐体組み込み構造」は、ソーラーパネルが直接的に太陽光を受光できるため、発電効率を高められます。これにより、パネルの必要枚数を減らすことが可能となります。このように、構成する部材の数量が異なり、それを中心にコストの増減が生じています。
太陽光発電のメリット
共通の長所として、太陽光発電のメリットがあります。日光を受けて独自にエネルギーを生成する発電方法です。主に、以下のようなポイントがあります。
環境への貢献
太陽光発電は再生可能エネルギーの一つで、化石燃料に依存しません。そのため、発電時に温室効果ガス(二酸化炭素など)を排出しないクリーンなエネルギー源となっています。気候変動や大気汚染を抑制することができ、地球環境保護に大きく寄与します。
エネルギーの持続可能性
太陽光は無限に利用できる自然のエネルギー源です。石油燃料と比較して、枯渇することがありません。これにより、長期的に安定したエネルギー供給が期待できます。
電力コストの削減
太陽光発電システムを導入すれば、その後のエネルギー供給に関するコストは極めて低くなります。ソーラーパネルは長寿命で維持費も比較的安いため、電気料金の削減が期待できます。外部からの電力購入を減らし、電気料金を抑えることができます。
メンテナンスが少ない
機械的に動作する部分が少ないため、メンテナンスの頻度が低く、故障のリスクも少ないです。通常、定期的な点検と簡単な掃除だけで長期間にわたって安定した発電を続けることができます。
設置方法例
サインのお取付け方法については、いくつかの専用治具をラインナップしています。その他の方法や特殊なお取付けをご検討の際は別途ご相談ください。
ポール(支柱) への取付け
支柱(ポール)への設置方法です。取付け治具の仕様により、既存の支柱および電柱への共架にも対応しています。本体のサイズ・設置高、基礎の有無などにより支柱の種類や工事方法が異なります。
壁面 / フェンス
壁面やフェンスへの設置方法です。素材・形状に合わせて、専用の治具を準備いたします。厚みが僅か「40mm」であるという薄型の特性を生かし、すっきりとしたコンパクトな形でご導入いただけます。
サインシステムへの組込み
電気工事・配線不要で設置することができるため、サインシステムへの組込みも容易です。「一体型の表示」によりデザイン性を高めると共に、複合的に多くの情報を発信できます。公園や市街路など、周囲の景観との調和が重視されるシーンで活躍します。
ソーラー発電式LEDサイン まとめ
ご覧いただきありがとうございました。このページでは、2種類のソーラー発電式LEDサインについてご紹介しました。ソーラー発電式LEDサイン自体に、通常の電飾サインとは異なる様々な特徴が備わっています。その中でも、ソーラーパネルの構造・搭載手法の違いにより大きな製品差が生じることを取り上げました。製品に関するお見積りのご依頼、ご質問、ご要望などは下記のお問い合わせフォームをご利用ください。